手形の基礎知識⑤『手形の裏書』
手形の基礎知識も今回で第五弾となります。
今回は『手形の裏書』についてのお話です。
手形を受取った場合、『手形割引』『銀行に期日取立』『支払先に支払い代金として譲渡』の3つパターンが一般的だと思います。いずれの場合も他の人に渡す場合には裏書きが必要となります。
裏書は手形の裏面の裏書欄に記名・押印をするのですが、住所は必ずしも必要ではありませんが、不渡りの通知を受けたいと思う場合などに必要となりますので一般的には記入するのが慣習となっております。
その他に手形の渡し先を被裏書人欄に書く「記名式裏書」や裏書日付も必ずしも必要ではありませんが、支払期限後に裏書する場合には日付は必要ですし、紛失や盗難時等のトラブル防止のために記名式裏書は効果はありそうです。
手形に裏書をした人は、裏書を受けた人やその人からさらに裏書きを受けた人や手形の所持人などあとから手形関係者となった人に対して手形の支払いすべき人に代わって責任を負いますのでご注意ください。
また、被裏書人とつぎの裏書人が同一で、きちんと連続している必要がありますので記名式裏書の場合にはチェックが必要です。
こちらも良くご相談いただくケースですが、印影が欠けていたり、滲んでいる場合などは金融機関によっては取立を受付けてくれない場合や万が一不渡りになってしまった場合に遡及が出来なくなる可能性があります。訂正する事は可能ですが、遠方や複数回に渡って譲渡されている手形の場合には手続きに苦労する場合もありますので、ご自身が裏書する場合にも手形を受取られる際のいずれの場合にも前々回ご説明しました『手形要件』だけでなく裏書の部分もチェックすることが必要です。
手形やでんさいのことでご不明な点など御座いましたら、ご遠慮なく三及までお問い合わせください。