2022年01月
でんさい用語集④「支払不能/支払不能処分制度」
本日の広島市内は時より雪がちらつくとても寒い1日でした。
さて、でんさい用語集も第4弾として今回は手形で言う「不渡り」にあたる「支払不能」と「支払不能処分制度」についてのお話しです。
でんさいが振出先である債務者の資金不足等により支払期日に決済されない事を「支払不能」といいます。
支払不能事由は第0号から第2号まであり、その区別は手形のそれと概ね対応しています。
手形の不渡り事由は
第0号は形式不備、裏書不備、財産保全処分中、案内未着、依頼返却等
第1号は資金不足、取引なし
第2号は契約不履行、搾取、盗難、紛失、偽・変造等
となっております。
でんさいネットでも取引安全のため手形交換所の「不渡処分制度」と類似の「支払不能処分制度」が設けられており、でんさいが「支払不能」になると、でんさいネットに参加しているすべての金融機関に支払不能通知がなされるほか、同一債務者がでんさいの支払不能を6か月の間に2回生じさせると、当該債務者に対して取引停止処分が科せられ、当該債務者は、債務者としてでんさいネットの利用ができなるほか、でんさいネットに参加している金融機関との間の貸出取引が2年間禁止されます。
なお、手形交換所の不渡処分制度とは別の制度であり、手形の「不渡り」とでんさいの「支払不能」は別々にカウントされ、取引停止処分も各々で科せられますので注意が必要です。
2022年1月13日投稿
でんさい用語集③「譲渡記録/分割記録」
本日の広島市内は寒さも落ち着いて、比較的過ごしやすい気温となっています。
さて、本日はでんさい用語集の第3弾として手形で言うところの裏書譲渡にあたる「譲渡記録」と「分割記録」についてのお話です。
でんさいは手形と同様に支払期日まで持っておいて資金化を待つ方法以外に、支払に用いたり、金融機関などで割引きをして支払期日までに資金化することが可能です。
いずれの場合も手形の場合は裏書きをして第3者に譲渡しますが、でんさいの場合は「譲渡記録」を行う事により第3者に譲渡することが出来ます。
でんさいネットではでんさいの譲渡を禁止する旨の記録を行う事や譲渡回数を制限することは出来ません。
しかしながら、譲渡先を窓口金融機関に限定する旨の記録を行う事は可能です。
譲渡に関して手形と異なる点としては、債権の一部のみを譲渡する「分割譲渡」が可能です。
ただし、でんさいネットでは譲渡の伴わない分割は出来ず、でんさいの債権の一部を譲渡する場合にのみ分割が可能です。
また、手形は裏書譲渡することにより裏書人は連帯してその債務を保証する責任を負うことになりますが、でんさいネットでもでんさいの譲渡する際に、でんさいの譲渡人を電子記録保証人とする「保証記録」を合わせて行うことを原則としていますが、「譲渡記録」のみでは譲渡人は譲受人に対し、責任を負わないことがありますので、でんさいの譲渡を受ける際には注意が必要です。
2021年12月10日投稿
手形廃止!?
昭和24年の創業より、広島の地で商業手形の割引を生業とし、事業主の皆様にご利用いただいて来ました、弊社にとっては目を疑うようなニュースが今朝の紙面に掲載されました。
記事によると、経済産業省は全銀協とと連携して明治時代より用いられてきた日本独特の商慣行である、紙の手形を2026年をめどに廃止を目指す方針とのことです。
資金化まで数ヶ月かかる今までの紙の手形から振込や電子債権(でんさい)への移行を促し、受取る側である中小企業の資金繰りを改善させる狙いがあるようです。
早速、ネットニュースのコメント欄には様々な意見が投稿されておりました。
実際にでんさいネットでのでんさいの取引がスタートして10年近く経ちますが、導入している多くは大企業で中小企業までには普及しておりません。
その結果、減少し続けていた紙の手形の流通量は近年は横ばいとなっています。
要因は数多くあると思いますが、印紙代の節約など恩恵を受けられるのは、発行側である大企業に多く、受取る側である中小企業はインターネットバンキングの導入などコストや手間のデメリットが多く、でんさいを導入することで得られるメリット感じられないので、支払先から打診はあるが、導入していないと言う声は実際に弊社をご利用のお客様からもよく伺います。
また、手形やでんさいには不渡処分のような厳しいルールがあるため、支払に強制力が生まれ、受取る中小企業にとっては売掛債権の回収といった面でも一助となってるのが実情です。
振込みが主となった場合、手形よりもさらに長い支払条件を要求されたり、振込みの遅延などのリスクも増加し、逆に資金繰りが困難になる場合も発生する可能性もあります。
メリットを感じて利用している事業主が存在しているのにも係わらず、政府主導で廃止にする意味は本当にあるのでしょうか!!
政府にはデジタル化や大企業や銀行の業務の効率化だけではなく、中小企業や地方経済の現状に目や耳を傾けて判断して欲しいと願います。
弊社は引き続き、紙の手形もでんさいのどちらも取扱いを継続してまいります。
手形割引もでんさい割引も全国よりお問い合わせをお待ちしております。
2021年2月18日投稿