2021年07月
手形の基礎知識『番外編 小切手』
中国地方でも梅雨が明け、蝉の声と共に暑い日が続いております。
本日は手形の基礎知識の番外編と致しまして小切手についてのお話です。
当社では手形割引やでんさい割引のほかにも受取り小切手の換金も取り扱っており、即日換金をさせていただきました。
小切手にも手形同様に様々な取決めや一定のルールがありますので、本日はその一部をご紹介します。
小切手は「銀行渡り」と記載のない小切手であれば、直接振出銀行に行って現金を受け取ることが可能です。
しかしながら、盗難や紛失によるトラブルを防止するために「銀行渡り」の線引きをするのが一般的で、
「銀行渡り」の線引きがされた小切手は直接現金化することはできず、取引金融機関の預金口座に入金することによって資金化します。
以上のように換金方法は直接銀行に持込む方法と、預金口座に入金するの2つの方法がありますが、いずれの場合も換金期限に同一の定めがあります。
これを「呈示期間」といい、小切手の場合は振出日の翌日から10日間となっております。
万が一「呈示期間」を過ぎてしまった場合でもほとんど金融機関では通常、換金、入金を受け付けてくれますが、受付を拒否されてしまう場合もありますので注意が必要です。あらかじめお取引金融機関にお問い合わせをされることお勧めします。
しかし、万が一「呈示期間」を過ぎてしまった場合でも紙切れになってしまうわけではありませんのご安心ください。
小切手自体の有効期間、「遡及権」は「呈示期間」経過後6カ月となっておりますので、金融機関が受け付けてくれない場合でも、振出人に直接支払を要求することや小切手を再発行してもらうことは可能です。
ただし、手形のように割引期間が短くなれば割引料が安くなるということはありませんので、振出先との取り決め等がない場合はトラブルを避けるためにも早めに換金・入金されることをお勧めいたします。
手形・小切手・でんさいの事ならなんでも三及までお問い合わせください。
2021年7月16日投稿
手形の基礎知識⑦『振出日』
手形の基礎知識も第7弾となりました。
今回は実際にお客様から頂いたご質問と回答になります。
「手形を受け取った際に振出日が空欄になっているがこのままでも割引可能ですか?」
と手形の「振出日」についてのお問い合わせをいただくことがあります。
手形の基礎知識③でお話しさせていただきましたが、
約束手形は法律(手形法)で書き方のルールが定められており、この約束手形に記載されてなければ手形として有効に成立しえない事項(必要的記載事項)を「約束手形要件」と言います。
約束手形の手形要件は以下の通りです。
1.約束手形文言
2.単純な支払約束(条件付きではないこと)
3.手形金額
4.満期
5.支払地
6.受取人
7.振出地
8.振出日
9.振出人の署名(記名・捺印可)
通常、銀行などで購入した手形用紙にはあらかじめ1、2、5、7は印字されている場合が一般的で、手形を受け取る際に気をつけなければいけない記載事項は3、4、6、8、9ということになります。
今回の「振出日」は手形要件に該当しますので、不完全な約束手形として無効ということになります。
ただし、手形要件の全部、または一部を欠く未完成手形であっても、記載していない手形要件(白地部分)の補充権を同時に付与して交付されたものは商慣習法上、白地手形として有効に流通することが認められています。
実際の取引でも振出日の書いていない手形は多く存在しており、銀行取引上も当座勘定規定などで振出日の記載がなくても支払う約定をしています。
よって結論としましては、商慣習法上、銀行取引上も白地手形として流通することが認められておりますので、「振出日」の記載がない手形でも有効ということになります。
しかしながら、手形法上の手形要件に該当する「振出日」ですので、トラブルの回避や不渡になった場合には裏書人等に請求できなくなるリスクもありますので、手形の振出先に確認をし、記入してもらうか補充するのがベストと考えられます。
三及では振出日の記載のない約束手形につきましても割引可能ですが、場合によってはトラブル回避のためにお断りさせていただく場合がございます。
手形を受け取る場合は手形要件に不備がないかをチェックすることが必要です。
また、取引銀行や各種条件によって取扱いが異なりますので、疑問に思う点がございましたら、割引業者や金融機関等にお問い合わせされることをお勧めいたします。
手形・でんさいのことでしたら創業72年の安心と信頼の三及までお問い合わせください。
2021年7月6日投稿
手形の基礎知識⑥『呈示期間と時効』
緊急事態宣言が解除されて1日が過ぎましたが、スッキリとした気持ちにならないのは私だけでしょうか。
まだしばらくは何も変わらない日々が続くのでしょう。一方で観客の上限人数やお酒の是非などが議論されている東京五輪ですが、感染拡大が完全に収束しているわけでもなく、ワクチン接種が思ったように進んでいない状況で観客を入れて開催をして本当に感染拡大を抑えることが出来るのでしょうか。
こんな時だからこそスポーツの力で元気を!!という気持ちは理解できますが、普通の生活を取り戻す事が最優先ではないでしょうか。
大坂なおみ選手の全豪オープン優勝や松山英樹選手のメジャー制覇、大谷翔平選手のメジャーリーグでの二刀流など生で見ることが出来なくても大いに力をもらう事が出来ました。
開催中に感染拡大となってしまったら素直に楽しめなくなってしまいそうです。
前置きが長くなってしまいましたが、手形の基礎知識も6弾目なりました。
今回は『手形の呈示期間と時効』となります。
聞きなれない言葉ですが、手形を扱う上で気を付けなくてはいけない点となります。
手形には支払い呈示期間と時効が定められており、受け取った手形の権利を行使しないでこれらの期間が過ぎると、最悪の場合支払いを受けられなくなることがあります。
手形は最終的に最終保持人が銀行に取り立て依頼をすることで振出人に支払い呈示をし、決済します。
取立のために銀行を利用できるのは、期日から2取引日、すなわち期日を含めて3日間となります。
その間に手形を銀行に持込み取立依頼をする必要があるのですが、万が一呈示期間を過ぎてしまいますと、銀行では取り立ててくれず、裏書人には請求ができなくなります。
もちろん、振出人には請求可能ですから、直接支払いをお願いするか、改めて手形を振り出してもらうことになりますが、トラブルの原因にもなりかねませんので、割引や支払いに廻さない場合は早めに銀行に預けるておくようにすることをお勧めします。
また、手形には時効があり、手形の所持人から振出人に対する請求は3年となっており、裏書手形で所持人から裏書人に対する遡及は1年、償還義務を果たした裏書人が前裏書人に再遡及する場合は6カ月で時効になります。
取立て忘れは手形を扱う上で意外と多い問題の一つではないでしょうか。
呈示期間を過ぎても振出人への請求権は3年はありますので、過度にあわてる必要はありませんが、早めに銀行に預けることや割引に出すこともトラブル防止に必要かも知れませんね。
その他、手形や手形割引、でんさいやでんさい割引に関するご質問など御座いましたら何でもお問い合わせください。
2021年6月22日投稿
手形の基礎知識③『手形要件』
本日は手形の基礎知識の3話目として『手形要件』についてお話したいと思います。
ここでは国内の商取引でもっとも一般的に使われています「約束手形」で「確定日払い」の手形についてお話します。他にも為替手形や支払期日の決め方にもいくつか種類がありますのでご注意ください。
手形は、取引を行った会社だけではなく、不特定多数の間を流通することが予定されています。そのため、手形自体の外観から権利の内容が具体的に特定できることが必要です。
そのため手形に記載されるべき必要事項、『手形要件』が次の通り、定められています。
①約束手形の文字
②受取人名
③金額
④支払いを約束する文言
⑤手形の振出日
⑥振出地
⑦振出人の署名・押印
⑧満期日(支払日)
⑨支払い地
一般的には、全国銀行協会が制定した統一手形用紙が利用されているため、①・④・⑨についてはあらかじめ印刷されていますので、手形を発行する場合や受取る場合には①~⑨の『手形要件』がきちんと記載されているかご確認ください。
また、書き方にも細かなルールがあり、書けば内容が有効になる有益的記載事項や書いても効力が認められない無益的記載事項、書くと手形自体が無効となる有害的記載事項がありますので、気になる事や疑問など御座いましたら、どんな些細なことでも構いませんので、三及までお問い合わせください。
もちろん手形割引やでんさい割引など事業資金に係るお問い合わせもお待ちしております。
2021年5月27日投稿